一見モチモチでスベスベだけど、実はデリケートで傷つきやすい赤ちゃんのお肌。今回は赤ちゃんに起きやすいお肌トラブルの【汗・おむつ・よだれ】の原因とケアについて、さくらんぼこどもクリニックの三日市薫先生にお聞きしました。
●監修者のプロフィール
三日市薫先生
小児科医。さくらんぼこどもクリニック院長。東京女子医科大学卒業、東京大学医学部附属病院、日本赤十字社医療センターなどを経て、東京都府中市にさくらんぼこどもクリニックを開院。気軽に健康や子育ての相談ができる医院として地域からの信頼も厚い。3人のお子さんの母親でもある。 |
●どうして赤ちゃんの肌はかぶれやすいの?
赤ちゃんのお肌はどうしてトラブルが起こりやすいのでしょうか。それには、赤ちゃん特有のお肌の性質が関係していると三日市先生は言います。
「赤ちゃんの皮膚はとても薄く、大人の1/3〜1/2の薄さしかありません。新生児は皮脂が多いのですが、生後3ヶ月頃には少なくなり、急に乾燥しやすくなります。そのため、皮膚のトラブルが起きやすくなります」
それぞれの原因とケアをみていきましょう。
●汗かぶれ・あせもの原因とケア
「赤ちゃんが汗っかきなのは、大人と同じ数の汗の穴があり、汗の穴が密集しているためです。赤ちゃんの汗のトラブルといえば、汗の穴が汚れでふさがるあせもが一般的ですが、汗と汚れが原因の湿疹(汗かぶれ)も多い」と三日市先生は言います。それぞれ、どのようにケアをすれば良いのでしょうか?
「基本的にはケアは同じで、エアコンや衣類の工夫で汗をかきにくい環境を心がけましょう。衣類は通気性・吸収性の良いものを選び、汗をかいたらこまめに着替えます。綿素材が良く、サッカー生地やクレープ生地はサラッとしておすすめです。肌着はノースリーブよりも半袖のほうが汗を吸い取ってくれます」
シャワーや濡れタオルで汗を取り除くことも大切です。
「ただし、シャワーでは必要な皮脂を流さないために、石けんは1日1回に。肌を傷つけないように、柔らかいタオルで優しくおさえるようにぬぐいましょう」
また、汗かぶれは皮膚のバリア機能が低下していると起きやすいので、乾燥肌では保湿を。ただし、夏は保湿しすぎると汗の穴がふさがり、あせもができやすくなります。皮膚をかきこわさないように爪も短く切っておくことも大切です。おうちで2〜3日ケアをして改善しなければ、受診しましょう。
●おむつかぶれの原因とケア
「おむつかぶれの一番の原因は、汚れたおむつを長時間取り替えなかったこと。おむつの中は温かく、おしっこや汗などで皮膚が蒸れるため、おしっこやうんちが皮膚を刺激して起こります」
特にゆるいうんちの後は、あっという間にかぶれてしまいます。おしりふきでこすった刺激が影響することも。
おむつかぶれを防ぐには、おむつの中に水分や汚れを残さないことが大切です。お肌の弱い赤ちゃんは、おむつの吸収力に頼らず、こまめに取り替えてあげましょう。
「赤くなっているところは、シャワーで流したり、たっぷり水分を含ませた脱脂綿で優しく拭いてあげましょう。ワセリンなどで保湿してお肌のバリアも忘れずに。また、余計な水分を残さないために、お尻を乾かしてからおむつをはかせるようにしましょう」
●よだれかぶれの原因とケア
▶︎よだれかぶれの原因は?
よだれや食べこぼしで、口の周りが赤くなったりただれてしまうよだれかぶれ。「よだれは消化液なので、実はパパやママが思っている以上に皮膚への刺激が強いのです」と三日市先生は言います。
汗やおむつのかぶれと同様に、清潔にするのが一番。汚れたら放置せず、タオルを濡らしてやさしく押し当てるようにぬぐいましょう。拭き取るタオルは素材にも注意してほしいと三日市先生は言います。
「赤ちゃんのお口ふきにはガーゼを使う方も多いですが、実は生地の目が粗く、肌にひっかかる恐れもあるので柔らかいタオルがおすすめです。また、食前にワセリンを塗っておくとバリアができ、よだれかぶれができにくくなります」
お肌のトラブルは、こまめなケアでお肌を清潔な状態に保ってあげるのが一番。
「残念なことに、症状が悪化するには1日ですが、回復するには3日以上かかります。成長するにつれて皮膚は強くなり、トラブルも起きにくくなります」
赤ちゃんが快適に過ごせるように、根気よくケアを続けてくださいね。
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