コラム
2021/05/19

「もしも」に備える!親子の防災、どうしたらいい?【前編 親子で避難するには】

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地震や豪雨、台風……さまざまな災害への備え、みなさんはどうしていますか?災害が起こった際、大人よりも厳しい状況に立たされる乳幼児や小さな子ども。「避難」ひとつとっても、どうやって移動するか、どんなものを持っていくか、悩んでいるパパママも多いのではないでしょうか。「みんなのQ&A」にも、このような投稿がありました。
 

「災害時の避難袋、避難方法について質問があります。
東日本大震災を経験しました(南東北住み)。その時はまだ独身でした。その後結婚し子供が生まれ今に至りますが、もしあの時子供がいたらどうやって避難しようか荷物はどうするかパニックになっていたと思います。
特に津波の可能性があるので、地震があったらすぐに幼児1人乳児1人(完ミ)を連れ、避難袋を持ちながら徒歩避難をするには何か良い方法などあったらぜひ教えてください」
(だいちゃんさん)


そこで今回は、1歳半の子どもを抱えた状態で東日本大震災で被災した経験から、防災士の資格を取得したイラストレーター・アベナオミさんに、「親子で避難するときのポイント」について伺いました。
 

監修者のプロフィール 

アベナオミさん
イラストレーター。宮城県在住、2011年に東日本大震災にて被災し、そのときの様子や防災を伝えるコミックエッセイなどを執筆、防災士の資格も持つ。著書「被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40」(学研プラス)「日めくり 被災ママが教える後悔しないための1日1防災」(PHP研究所)など。三児のママ。
 

まずはシミュレーション&家族で話しあおう!



「日めくり 被災ママが教える後悔しないための1日1防災」(PHP研究所)より

---アベさんは利府町で東日本大震災を体験されましたが、どういう状況だったのでしょうか?

「私は車を運転中で、息子は保育園、夫は塩釜港の近くの会社で勤務中でした。そのとき初めて、大地震が起きたときの対応を決めていなかったことに気づいたんです。結局、まずは自宅を確認してから保育園に息子を迎えに行き、そのあと『津波が来ている』という情報で焦ってしまい、夫を探しに。あとから知ったのですが、このとき選んだ道によっては、親子で津波にさらわれていた危険がありました。実際に地震や災害が起こると、私もそうでしたが『まず何をしたらいいか』がわからずパニックになってしまう人が大半だと思います。まずは『家族がバラバラな状態で被災したらどうするか』をシミュレーションし、どうやって子どもを迎えに行くか、お互い連絡をどうとるか、どこに避難するかを家族できちんと話し合っておきましょう」

---被災された際、アベさんは避難所ではなく自宅避難を選択されたそうですね。

「息子にハウスダストアレルギーがあったこと、幼い子どもを連れて知らない人がたくさんいる場所で生活することのリスクから、私は電気や水が止まってはいましたが、自宅避難を選択しました。しかし夫は避難所を希望し、夫婦で意見が割れてしまったんですね。お子さんの月齢や状況、自宅の被災状況によっても変わってくるとは思いますが、『被災したときにはどうするか』を家族で考えておくことをおすすめします」
 

ハザードマップをチェックして、家から避難所までの経路を確認しよう


「日めくり 被災ママが教える後悔しないための1日1防災」(PHP研究所)より

---どんな災害に遭う可能性があるか、確認しておくことが大切ですね。

「自治体は必ず、『ハザードマップ』を作成しています。例えば自宅が豪雨や台風などで浸水する可能性があるか、土砂崩れや津波被害の可能性がないかなどを必ず確認しておき、近隣の避難場所、避難所と、避難経路をチェックしましょう。津波と地震では避難場所が変わることがあるので、災害ごとの避難場所を確認しておくとより安心ですね。できればお子さんをつれて一度歩いてみると、実際に避難するときの感覚がつかめていいと思います」

---避難するときの荷物のポイントは?

「お子さんと手をつなぐためにもリュックを使用し、両手を使える状態にしておきましょう。夜に避難する際、懐中電灯だと片手がふさがってしまうので、ヘッドライトを準備しておくといいですね。また、荷物が重いのでカートを使いたいという人もいるかもしれません。路面の状況にもよりますが、そういうときは私はカートよりベビーカーをおすすめします。4輪のベビーカーは多少のデコボコ地面でも安定して使え、重い荷物も運べますから。例えばママがお子さんを抱っこし、パパが荷物をのせたベビーカーを押すなど、役割分担を決めておくといいですね」

持っていってよかった! 「子連れ避難」に必要なアイテムは?



---子どもを連れて避難所に行く際、必ず持っていったほうがいいものは?

「自宅が倒壊した、浸水したなど避難所での生活を余儀なくされる場合ですが、支援物資が届くまで最大3日間は見ておきましょう。つまり、3日間は自分たちでなんとかしなければいけないということ。大人用の持ち出し袋を準備しておくのはもちろん、ミルクやおむつ、離乳食など、その子の月齢に合ったものを3日分は持ち出せるようにしておきましょう。特にお子さんがアレルギーをお持ちの方は、しっかりと準備をしておくことをおすすめします」

持ち出し袋に追加するもの

・ミルク、水、哺乳瓶、離乳食
・おむつ
・おしり拭き
・おむつ用ごみ袋
・着替え
・子どもが遊べるおもちゃ、絵本、タブレット
・子どものおやつ
・モバイルバッテリー
・イヤホン

「子どもにとって、避難所での生活はとてもストレスが大きなもの。また、退屈で騒いでしまい、他の方の迷惑になることも。おもちゃや絵本など、子どもが遊べるものやおやつは、必ず持ち出し袋に入れておきましょう! ただ、デジタル世代の今の子どもたちが最も長時間遊んでくれるのは、スマホやタブレットではないでしょうか。大容量のモバイルバッテリーを準備しておくと、大人も安心できると思いますよ」


「乳幼児を連れて長期間の避難所生活をおくるのは、実際には難しいと思います」とアベさん。豪雨や台風の際はひと晩を過ごすと割り切ればいいものの、地震や津波などで自宅がなくなってしまった場合にはどうするか? 自宅避難や、県外の親戚の家を頼るなど、避難所以外の方法を考えておくことも大切です。
 
後編では、アベさんも実際に体験した「自宅避難」の備えについて伺います。


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3件のコメントがあります。
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  • 投稿を採用して頂き本当にありがとうございます!
    アベ様のお話大変参考になりました。子供のお迎えの行き違い、盲点でした。
    常日頃から避難経路や持っていくものについて気軽に話し合えるよう家族でよく話し合いたいなと思います。

    後半が出る前に1つ質問があります。
    津波の可能性がある地域の避難経路は階段が多い場合がありベビーカーやカートはなかなか難しいのかなぁと…ベビーカーやカートを使わずに子供2人連れての避難方法を探っているのでよかったら防災士のアベ様にぜひ後半で教えていただきたいです。
    最近では赤ちゃん(まだ寝てる時期ですね)を入れて避難するトートバックがあるとTwitterで知りました。
    もういっそ階段が利用OKなベビーカーを開発してもらえれば災害時だけじゃなくて日常生活でもめちゃくちゃ助かるのになぁと思います。。。
    • だいちゃんさん、コメントありがとうございます!
      アベナオミさんから、お返事をいただきました。

      --------
      地域によっては津波避難タワーが整備されスロープが付いているものもありますが、やはりそのタワーに行くまでを考えるとベビーカーは使用しない方が安全です。

      まず地震発生後の避難は津波にかかわらず、ベビーカーを使用するのはおすすめしておりません。道路がひび割れていたり、マンホールが飛び出していたり、地盤沈下、液状化、瓦礫の散乱などママの先を歩くベビーカーに危険がたくさんです。

      避難の際はできるだけ、小さなお子さんは抱っこ紐を使用しましょう。
      ※おんぶはもしも避難中に余震などが起きた場合に、赤ちゃんをとっさに守れないのでNG。前だっこに避難リュックを背負うのがベストです。

      上のお子さんがおいくつかわかりませんが、歩ける場合は一緒に手を繋いで歩いて避難しましょう。
      はぐれるのが怖い場合はママと子供の手首をつなげる迷子防止紐がおすすめです。
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      お子さんの年齢が近ければ双子用の抱っこ紐もありかと。二人前抱っこできるものもあります。
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      津波がきたら、とにかく高いところへ、避難所が遠い場合は、近いところでなるべく高い建物や道路に垂直避難をしてください。

      アベナオミ
      --------

      ご質問については、今後のコラムでも取り上げていきますので、楽しみにお待ちください。
    • お忙しいのに返信をいただきありがとうございます!
      避難時にベビーカーが使えないとなると抱っこ紐が1番頼りになりますよね。「災害時の避難は足元がよく見えるよう子供はおんぶをして避難」的な話とごっちゃになっていたかも知れませんが、地震の時は前抱っこじゃないと余震時怖いですよね。前抱っこで避難できるようリュックにするなど避難バックを工夫したいと思います!

      オムツやミルクなど赤ちゃんとの避難は荷物の重さの問題も心配ですが避難後も子供が騒がないか授乳場所などたくさん心配な事があると思います。私も子育て中なのでお手伝い出来ないところもあるかもしれませんが子育て中の方もそうでない方・高齢者の方や障害をお持ちの方など、災害時はみんなで助け合って譲り合って災害を乗り越えられたらなと思います。
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